母親の今までの生活_70歳以降の衰え

母親は、父親が亡くなった74歳から96歳までの22年間一人で暮らしたことになる。仕事がら、海外勤務・海外出張も多かったが、国内では同居、また最後に近隣の介護施設に入っていた略5年半の期間もしばしば施設を訪れ、帰ってこられる家の管理を行っていたからであろう。また両親の老後を考慮した自宅の新築に当たっては、老後を両親の問題としてとらえこちらは主に支援する立場を取ったため、母親に面と向かうことがなかったことかもしれない。一方新築の自宅完成後1年未満で父親が亡くなった。自宅を新築した後の母親の健康状況を以下に確認した。

母親は自営業で生計をたてていたが、50歳以降山登りなどに精を出し自他共に健康を楽しんでいた。しかしさすがに80歳近くになると急激に体に変調をきたしていくことがよく理解できる。最初に寝込んだのは、79歳の時下顎を骨折した時だった。玄関のチャイムが鳴って急いで出る時に躓き、手が出ずに顎を打ったそうだ。年相応にチャイムに落ち着いて対応していいんだという考え方にシフトしてなかったような気がする。チャイム自体が自宅新築時の73歳で初めて設置したもので運用に慣れていなかった可能性もある。

 

1994(H06)/11:73才:自宅新築・高齢化対応(長男と同居)
1995(H07)/01:73才:(神戸震災)
1995(H07)/10:74才:夫死亡
1998(H10)/07:77才:富士登山
2000(H12)/03:79才:海外個人旅行・9月にも有
2000(H12)/11:79才:下あご躓き骨折
2001(H13)/06:80才:右目白内障手術
2001(H13)/11:80才:自宅単身生活開始(長男:国外出張)
2002(H14)/01:80才:脊髄圧迫骨折、介護保険認定/要支援・利用開始
2002(H14)/03:81才:デイサービス利用開始
2003(H15)/02:82才:介護保険認定/要介護1
2003(H15)/03:82才:自宅単身生活終了(長男と同居再開)
2003(H15)/08:82才:左目白内障手術
2005(H17)/11:84才:自宅単身生活再開(長男:国外出張)
2007(H19)/03:86才:自宅単身生活終了(長男と同居再開)
2007(H19)/08:86才:肺炎入院
2007(H19)/10:86才:介護保険認定/要介護3 老健利用リハビリ生活開始(6か月)
2008(H20)/04:87才:介護保険認定/要介護2 自宅トイレ改修・介護ベッド動線上に引き戸設置
2008(H20)/05:87才:自宅介護生活開始/車椅子利用(4年)、デイサービス利用再開、在宅生活支援サービス利用開始、介護ベッドなど借用開始
2009(H21)/11:88才:右目白内障再手術
2011(H23)/03:90才:(東北震災)
2012(H24)/04:91才:肺炎入院 介護保険認定/要介護3
2012(H24)/05:91才:ショートステイ利用介護生活開始(4か月)
2012(H24)/09:91才:老健利用介護生活開始(1年)
2013(H25)/09:92才:特養利用介護生活開始(4年)
2015(H27)/04:94才:介護保険認定/要介護4
2017(H27)/04:96才:介護保険認定/要介護5
2017(H29)/05:96才:死亡

 

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 ところで、81歳で要支援・82歳から要介護1となり95歳で要介護5で亡くなったことを、一般的に平均健康寿命(男性71.19歳、女性74.21歳)・平均寿命(男性80.98歳、女性87.14歳)から計算できる女性の平均介護対象期間:12.93年を参考にすれば、健康だった期間は長いが、被介護期間15年と苦労した期間も多い。

一方、特養利用の介護生活4年は、厚生労働省資料の介護老人福祉施設の入所者の平均在所期間約4年と同じである。これは介護期間の多くを自宅で過ごせ幸せだったと考えるべきかもしれない。